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鈴木おさむの新書『AV男優の流儀』は、“エロ職人”による名言だらけだった

AV男優の流儀 (扶桑社新書)

AV男優の流儀 (扶桑社新書)

 

売れっ子放送作家として有名な鈴木おさむ。彼が雑誌『SPA!』で連載していたAV男優へのインタビューコーナーをビジネス書風にまとめた一冊がこちら。いやー、興味本位で手にしたんですけど、AV業界に身を捧げてきた漢たちの職人的気質、審美眼、人間心理の考察が面白すぎて一気読みしてしまいました。

ちなみに登場するのは現役AV男優のツートップである森林原人、しみけん。そしてベテランの島袋浩、AV監督して名を馳せるカンパニー松尾、安達かおるの5人です。どのインタビューも濃すぎる上に、ド下ネタばかり(しみけんのAVデビューはウンコ2本食い!など)。「性」を生業とした男たちの覚悟、その過程で生まれた驚くべき感覚は、ビジネスの世界にも活用できる名言にあふれているんです。

あまりに感動しすぎて、ページのカドを折る作業が止まらなくなってしまったんですが、その中でも比較的ライトな部分を紹介してみようと思います。

 

●エロくなれる女性と、そうじゃない女性の違いは?(森林原人への質問)

まず前提として、マンコは気持ちよくなるようにできているはずなんです。気持ちいいとエロくなれますよね。でも、羞恥心やら体液や粘膜が触れ合うことへの嫌悪感などが邪魔をして、結果的にエロくなれるんだと思んです。そういう意味で人間愛というのがキーワードになる。

具体的な職業で言いますけど、保母さん、看護師はエロくなれます。何でかというと汚物を扱うこともあるので。血とか汚物を触ったり、体を洗ったり、チンコを触ったりするじゃないですか。保母さんは園児のウンコを触ったりしますよね。体から排泄されるものに対して嫌悪感がない人、もしくは慣れている人は、セックスする相手に対しても一歩深く踏み込めるんです。

男たちの間では常識レベルで語られている「看護師はエロい」という感覚。漠然と「奉仕精神が強いからじゃないの?」と思っていた人が大半でしょう。間違ってはいないけれど、理解が浅かったなぁと痛感させられたのがこの森林原人の回答です。この腑に落ちた感はすごい。人間の本質に迫ったベストアンサーなので、しょーもない飲み会でこの手の話になったら真顔で語ってあげましょう。 

 

●年間500本出演のしみけんの武器とは?(しみけんへの質問)

呼ばれる理由ですか……自分で言うのもなんですが、一番は女のコとコミュニケーションが上手にとれることじゃないでしょうか。コミュニケーションをとりつけつつも無難にこなす。地雷を踏まない。地雷の上に乗ったとしても不発。あとは安定性でしょう。

 

--安定性というのは?

 

どんな仕事でも安定してこなせること。午前中に蒼井そらちゃんと絡んで、その日の午後に72歳の双子のイネとヨネを抱いたことがあるんです。ハワイ発、アラスカ行きの飛行機みたいなもんです。それでも風邪を引かずに無難にこなせるか。イネもヨネも潮吹かせましたけど。

 

--ええー! その落差に耐えて勃起したんですか? ものすごい安定感(笑)。72歳の双子がAVに出た理由も気になります。

 

年金だけじゃ暮らせないから、らしいですよ。今、AVも需要が高齢化しちゃってて、おばあちゃん系も人気あるんです。60歳以上の女優も増えていて、彼女たちが順番待ちをしてる状態なんです。

 

―皆、お金のため?

 

はい。だってイネとヨネ、「用意スタート」から、「はいカット!」まで一言も話しませんでしたから。もう感じるとか性に対する興味とかゼロなんです。お金のためだけに股を開いてますっていう。

AV男優は決して夢の仕事ではないことを突きつけられる内容。 選り好みせず、どんな相手でも、どんな状況でもプロとして求められた要求に高い水準で応えるのが仕事だと言い切っていてかっこよすぎる! そして、日本の抱える高齢化社会もここまできていたのか!

 

●AV男優の一流と二流の違いは?(島袋浩への質問)

見せ方なんですよね。女性を気持ちよくするためのテクニックは、僕らは言うほどうまくないと思っています。でも、見せ方には絶対的な自信があります、自分は今セックスしてるんだけど、映像で自分の映ってる姿が頭の中で想像できてるんです。

 

カメラがここにあるから、この角度ならこう映って……と、つまり視聴者の目線に立って、魅せるセックスができるということなんです。それと同時に女優の感度も高められる。これができないとAV男優にはなれません。

 

ギャラもらってセックスするっていうのは、そういうことなんです。僕がオファーする側ならそういう男優しかオファーしないです。AV女優は素人でもOKで、実際、素人も多いですが、男優は絶対的にプロじゃないと務まりません。

一説には6000〜8000人ぐらいの現役AV女優が存在すると言われていて、そのAV女優を相手にしているAV男優はたったの約70人。月に数十回の現場をこなすAV男優の精神力と体力は、インドの修行僧的な領域に達しているとしか思えないですよね。

前述の人気AV男優・しみけんは、連発の射精は流石に難しいので、一回の射精を小分けにするという技を編み出したそうです。なんだそれ!!

というわけで、マジで意味の分からない世界とAV業界話が好きな僕も聞いたことのない話ばかりでした。少しでも好奇心を動かされたのなら、迷わず買った方がいいと思います。究極の仕事論です。

 

 

●関連リンク

森林原人 - Wikipedia

しみけん (AV男優) - Wikipedia

島袋浩 - Wikipedia

カンパニー松尾 - Wikipedia

安達かおる - Wikipedia

 

AV業界へのリスペクトが年々高まってきてます

 

知り合いのライター・朝井さんも同じところに触れてた!