コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書 458)
- 作者: 川上量生
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/04/10
- メディア: 新書
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カワンゴこと川上量生がジブリの鈴木敏夫プロデューサーの鞄持ちをしていたことは有名な話で。しかも2年! あれだけ大きな会社の社長がなんでそんなことをしているのか?という疑問は常々あったんですけど、この本を読んで少し理解できました。
何十年という時間の中でクリエイティブ(=コンテンツ)を追求してきた宮崎駿、そしてその天才の翻訳家として多くの作品を世に生んだ鈴木敏夫。この2人が作り上げてきたコンテンツの秘密をただただ知りたかったんだろうなと、純粋な好奇心が突き動かしたんだなと、なにかもう、とてつもない本を読み終えたという感覚だけが強く残る一冊でした。仮説を元にしたコンテンツの本質を突くような論文だと思っていいです。
- コンテンツとは現実の模倣である
- 優れたコンテンツは「分かりやすい」ものである
- 天才とは頭に描いたビジョンをアウトプットできる人間である
などなど、キーワードだけ見てもピンと来ないかもしれませんが、順序立てて説明してくれているので、割と頭の悪い僕でも理解できる内容でした。とかく、ジブリのアニメがなぜここまで人気なのか?という問いには説得力満載で答えてくれています。ここまで深くジブリを読み解こうとしていなかったので、これらの仮説と結論を小脇に抱えて改めて名作の数々を観直してみると全然印象が変わるんだなーと。超おもしろい本だった。