ローカル系の雑誌『ソトコト』編集長の指出一正さん。25年以上、雑誌の編集者を続けてきた大先輩です。ジモコロが取り組んでいるローカルの世界から見れば、ナメック星の最長老ぐらいの感覚で超尊敬しています。
頭に手を置いてもらいたい!
チカラを引き出してもらいたい!
指出さん(=最長老)にとってのネイルでありたいー!!
ややこしい例えをしてすみません。いや、でもホントに「10年後、指出さんのような大人になりたいぁ」と思っています。初めて出会ったのは今年6月に長野県上田にあるコワーキングスペース『Hanalab.』でのトークイベント。指出さんは0円出張編集長という企画で全国各地を転々としていて、ありがたいことに同じゲスト同士としてお話しさせていただきました。
このときの指出さんの話す内容がめちゃめちゃ面白かったんです。
自ら足を運んで、数えきれない人と対話を繰り返してきた経験。地域の課題や未来を誰よりも深く取り組んできた時間が厚い層となって、説得力のある言葉に変換されているんだろうなぁと。いわゆる「地域との関係人口」が膨大な人数になっているんだと思います。
かたや約一年半しか経験を積み上げていない僕と比べたら、そりゃ…ねぇ?? 自分はまだまだだと襟を正すと同時に、「大先輩たちが切り開いてきた道の上を走ってるんだなぁ」と自覚するようになりました。桑田ロードみたいな。目に見えて情報が拾いやすくなっている。
だって地方の成功事例として名前かあがっている土地は、約30年前から危機感を抱いていて、次世代へバトンタッチしながら取り組んでいるところばかりです。
僕自身が足を運んだ土地でいえば、高知県の馬路村、島根県の海士町でしょうか。
どちらも深い歴史の上に成り立っていました。生半可には解決できない。地方創生だー!つって、1〜3年で結果を出すなんてベリーハードモードすぎる。レッドアリーマー、バトルコマンダーかって話ですよ。そこの謙虚さも必要だし、長い視点で物事に取り組む力、瞬間で捉えない編集力の必要性を感じています。
だからローカルの編集も同じで。何年もかけて関係人口を増やし、山や川に足を踏み入れて、その土地に生身で触れ合っていく。仮説を立て、実行し、結果に繋げる……。
そんな全力の道を走り続けてきた人が世の中に何人いるのか?
ソトコト編集長の指出さんは間違いなく、その中の数少ない1人だと思います。やばいんですって。さっきの0円出張編集長なんてぶっ飛んだ企画含めた2016年の登壇回数は約80回以上!! 毎月雑誌を作りながら!! 家族サービスもこなして!! さらに新書を書き下ろしてるだなんて〜〜〜!!
そう、指出さんの新書が発売されたんです。
ローカルのフックアッパーとしての眼差しが詰まった素晴らしい本です。若者たちはなぜ地方に興味を示しているのか? そもそものきっかけは?
第1章 ローカルに価値を見出す若者たち
第2章 関係人口を増やす
パーリー建築(新潟県十日町市他)/ペンターン女子(宮城県気仙沼市)/『四国食べる通信』編集長 ポン真鍋(香川県小豆島・高松市)/下田写真部(静岡県下田市)/たからさがし。(熊本拠点)
第3章 未来をつくる手ごたえ
いとしまシェアハウス 畠山千春(福岡県糸島市)/十日町市地域おこし実行委員会 多田朋孔(新潟県十日町市)/巡の環 阿部裕志(島根県海士町)/幸田直人(鳥取県三朝町)/まちの鍛冶屋さん 秋田和良(広島県安芸太田町)
第4章 自分ごととして楽しむ
nanoda代表 山田崇(長野県塩尻市)/桃色ウサヒ 佐藤恒平(山形県朝日町)/シマネプロモーション 三浦大紀(島根県浜田市)/伝承野菜農家 佐藤春樹(山形県真室川町)
第5章 これからの地方、これからの暮らしづくり
全国で活躍するローカルヒーローたちを点で捉えながら読み進めていくと、現在のローカル像全体が浮き上がってくるような感覚に。みんなネーミングがいい。この本で紹介されている人たちには今後どんどん会っていきたいと思います。
そんな指出さんのインタビュー記事は、近日ジモコロで公開予定。 ライター根岸さん(写真右)が三日三晩寝ずに仕上げてくれる予定です。師走…!