こんにちは、ジモコロ/BAMP編集長の柿次郎です。
僕が率いる「Huuuu」は“会社員とフリーランスの中間”を目指す集合体。雇用関係はないものの、ライター・編集者たち複数名が集まったチーム。詳しくはサイボウズ式さんの記事をどうぞ。
この体制で半年間やってみた結果、「チームで働くメリット」を大いに実感しました。
- 仕事を共有しながら、チームで振り分けて進められる
- 原稿のフィードバックを気軽にもらうことができる
- たまに集まって「一人じゃない」ことを実感する
- 体調不良や家族の事情があれば助け合うことができる
- チーム対応できる仕事を受けられる(WEBメディア運営とか)
- 近すぎず、遠すぎず、距離感がちょうどいい
などなど、「一人だったら孤独にやられてたかもな…」と感じることが多々あります。
ソロよりチーム。モンスターハンターも、マタギの狩猟も、何かの価値を追い求めるのであればチームの方が効率的だと相場が決まっています。
ちなみに、Huuuuの地味すぎる福利厚生は
- 名刺の無料支給
- Chatworkのビジネスプラン提供
- 個人仕事の見積もり相談、原稿チェック
- Dropboxのビジネスプラン
- 長野でのおもてなし
などなど。
フリーランスにあるあるな「それっぽく作った名刺」ではなく、しっかりデザインの入った名刺は好評です。なんたって無料ですからね。
「名刺切れました―!」と言えば、僕とデザイナーが動いて家に届く便利仕様。プチイノベーションですよね。楽ちん。
先日、林業が盛んな北海道の下川町へHuuuuチーム全員で乗り込み、取材ツアーを行いました。現地に乗り込んでから企画を考えて、関係のあるメディアに書き散らすフリースタイル方式。現在、数本の記事を目下制作中です。こういう動き方もチームならでは!
しかし、「課題」も見えてました
順調と言える滑り出しのHuuuuなのですが、課題もあります。
それはリソース問題!!!
ありがたいことに仕事が増えてきており、その結果、Huuuuメンバーのリソース不足が発生。これは現在のWEBメディア業界にはびこる「リソース奪い合い問題」にも通じています。
業界全体で慢性的に編集者・ライターが不足しており、少ないリソースを奪い合う現状……そして自分では育てず、人材が育った瞬間に横から刈り取るという問題も…。みんな必死のパッチなので、今後も解決しないでしょう。由々しき事態ですよ!みんな売れていっちゃうし!若手を育てるしかないんや!!!!
……ちょっとヒートアップしてしまいましたが、とにかくいろんな理由があって、せっかくご依頼をいただいてもリソース的に受けられない場面が生じています。
一体、この壁をどう乗り越えればいいのか?
ライター不足はもちろんだけど、編集者不足も同時に解決できないか?
一番の近道は「人材育成」。しかし「教育リソース」も足りない…。
・・・
・・・
そうだ!これしかない!
「パラレル親方」だ!!
パラレル親方がウェブ業界を救う?
聞きなれない言葉だと思いますので、説明しましょう。
まず、「親方」とは「同じ業の職人や弟子をまとめ、事業を進める人物」のこと。
「師匠」のように「一人前になるまで面倒を見る」というより、プロジェクトベースで動き、仕事をとってきて適切にアサインする立場というイメージです。
でも、一人の親方に複数のメンバーがつく方法だと何が問題なのか? それは、「編集者・ライターが下を育てるのは難しい」からなのです。
編集者・ライターは基本忙しい職業であり、教育のためのリソース(時間)を割ける人は少ないです(プレイングマネージャーが多いことも原因…)。
また、「仕事を振る」ことも簡単ではありません。つまり、メンバーにとっては成長の回数が少ないということを指します。
しかし、親方が複数いれば……
仮に親方が一人につき2本の仕事を作れるとすると、三人いれば6本。親方が一人の場合よりも、稼ぎは保証されます。
さらに、仕事の機会に加え、人によって異なる仕事のやり方やジャンルを学ぶ/経験することができる。そして生まれる引き出しの多さは、編集者・ライターとして稼ぐための大きな強みとなります。
親方の側も、教育にかけるリソースが分散されるメリットも。
つまり「複数の親方が存在し、パラレルに教育を行う」こと……
これが「パラレル親方」なのです。
新しい言葉から入るタイプですみません。
弟子を募る「パラレル親方」のイベント開催!
というわけで、頼もしい親方と弟子たちを呼んでイベントをやります!うおーー!!
- 徳谷柿次郎(Huuuu inc.)※Twitter
- モリジュンヤ(inquire Inc) ※Twitter
- 今井雄紀(株式会社ツドイ) ※Twitter
- 長谷川リョー(ライター/編集者) ※Twitter
WEBコンテンツに携わる親方は弟子に何を求めているのか? また、すでに親方の下で働いている弟子は、どんな気持ちで取り組んでいるのか? 両者の視点をざっくばらんに話しつつ、その場でプロ野球みたいに弟子のスカウトを行いたいと思います。
※追記(2017年12月1日)
4人の現「親方」に加えて、独立直後の「親方見習い」2人も当日参加することになりました!親方戦国時代に突入だ!!
まずはローカルメディア「灯台もと暮らし」を運営するWaseiから独立したばかりのくいしんさん。ローカルだけでなく、お笑いや音楽が得意分野です。さらに、スマートニュースを卒業したばかりの望月優大さんも参戦。政治や社会課題、NPO領域で活躍中です。詳しくは2人の退職エントリーをご覧ください。
さらに司会は、「アシスタントが欲しい…!親方の考えを知りたい!」と熱量パンパンのライター・カツセマサヒコくんが担当してくれることになりました。さらに親方衆の弟子も登壇予定。弟子の本音もバンバン話してもらおうと思います。
その精度を高めるべく、今回のイベントは「書類申し込み制」にして、書類審査に通った人限定で小さく集まれたらいいなーと。マッチングしてなんぼの取り組みなのでご理解いただけますと幸いです!
【書類の申し込み方法】
※応募受付は終了しました
【イベント詳細】
名称:弟子をシェアして育て合おう!「パラレル親方」
日時:2017年12月19日(火)19時開場予定
参加費:5000円(飲食代込み、ケータリング豪華にします)
会場:渋谷予定(詳細は上記の書類審査を通過した方にお知らせします)
※11月26日追記
いくつか質問が届いていたのでQ&A感覚で要点まとめておきます。
Q.地方在住でも成立しますか?
→取材中心の仕事ベースのやりとりになるため、東京在住で頻繁に顔を合わせられる人の方がコミュニケーションは断然スムーズだと思います。オンライン上の「塾」ではなく、密な関係性じゃないと親方/弟子は成立しづらいので。ただ、地方取材もありえるので親方&案件次第になりそうです。
Q.弟子は何名採用しますか?
→親方と弟子のマッチング次第なので、全体で数名採用されるかもしれませんし、0名かもしれません。
Q.メディア関係者は参加できますか?
→誰かしらの親方に連絡していただいて、会場の定員に余裕があれば入れるかもしれません。ご相談ください。
Q.ライター/編集者の経験がなくても大丈夫でしょうか?
→親方によって採用基準が異なるかと思いますが、「人柄がいい」「フットワーク軽い」「覚悟を持って時間を割くことができる」などなど、経験以上の適正があれば大丈夫だと思います。結局は「人」を見るはずなので。
それでは沢山のご応募、お待ちしております!
来年は「人を育てる」ことに時間使うぞ! 若手のライター/編集者をみんなで育てていかないと、業界は先細り間違いなし。
— 徳谷 柿次郎 (@kakijiro) 2017年11月21日
書いた人:徳谷 柿次郎
株式会社Huuuu代表取締役。おじさん界代表。ジモコロ編集長として全国47都道府県を取材したり、ローカル領域で編集してます。趣味→ヒップホップ / 温泉 / カレー / コーヒー / 民俗学 / Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916