数ヶ月前、あるベテラン編集者に言われた一言がいまでも頭に残っていて。それは「Webメディアの数は増え続けているけど、本質を捉えた責任感のある編集長が少なすぎる」という話。
最近ピヨピヨの編集長を名乗り始めたばかりなので、その一言にビクっと反応してしまい、編集長とは何なのか? どうあるべきなのか? という“大きな壁”が目の前に立ちはだかったままです。誰かどけてくれー! その先が見えないー!
メディアを立ち上げる以上、誰かが編集長の役割を担います。企業によっては編集経験がない若手担当者に任せることもあれば、ディレクター的なポジションの人が担うこともあるはず。旧来からの紙文化における「編集長」と比較的リスクの少ないWebメディアの「編集長」の重さは、認識として全然違ってきているのかもしれません。
実際、僕が過去に接点を持っていた編集長の方々は、立ち居振る舞いから仕事に向き合う姿勢まで、男塾の先輩的な確固たるオーラに満ちあふれていました。威風堂々。若手のころは、おいそれと声をかけられないというか。そこには選ばれし人間にしか背負えない“編集長の格”みたいなものがあったんじゃないかなと察するわけです。
そもそも、40代以降の編集者は先輩に怒鳴られて、ときにはボコボコにされて育ったらしく、表現欲求のエゴを押し通した人間だけが編集長になれると。覚悟と責任の天秤を両肩に背負い、情報を発信していたんでしょう。
その点でいえば、30歳前後と40歳以降の編集者とは文化の差異やコミュニケーションの断絶を感じることがあり、その原因はなんだろうかと物思いに耽ることもあります。20代中盤ならなおさらでしょう。
まぁ、僕も未熟ではあるものの、その大きな壁(=問い)を果敢に追い続けて、その風格とやらを身につけたいです。「編集長ってすごいですねー!」という声に対して「いえいえ、そんな自分なんて…」と控えめな恐縮をするのではなく、説得力に基づいた謙虚さみたいなのを身につけたい。そしてモテたい。行きつけのバーに通いたい。銀座のクラブで飲んで、なんかすごい人を接待してみたい。そして、接待されたい。
そんな煩悩を近い将来叶えるべく、編集長を務める「どこでも地元メディア『ジモコロ』」で「編集長とは何ぞや?」という連載を始めました。28歳まで無職という経歴を持つ同僚、オモコロ編集長の原宿とともにドラクエ7の石版集め感覚で模索していきたいと思います。単純に楽しみな連載です。
- 編集長は部下に怒らず、立場が上の人間に怒れ!
- 常に見られている意識を持って仕事に取り組もう
- 編集長たるもの行きつけの飲食店で人間関係を広めるべし
- 原稿チェックは直修正ではなく「案」で戻せ!
- そして誰よりも勉強してインプットを増やそう
要約するとこんなことを語ってくれました。金言すぎる〜!
●そんな未熟者がセミナー登壇してきました
話変わって。先日、株式会社クリスクとの合同セミナーに登壇したんですが、そのレポートが上がっていました。端的かつ一部分の抜粋となっていますが、今後もセミナー登壇の機会をありがたいことにいただいているので、他人様に伝える言葉や引き出しを作っていかないといけないなと思う今日このごろです。BITAのご存じゆうせいさんありがとうございました。思っていた以上にご存じでしたね。